中国の最新鋭戦闘機が台湾周辺を初飛行

台湾南のバシー海峡および日本の沖縄本島近くの宮古海峡上空を飛行したとされる中国空軍のH-6K爆撃機(右)と、台湾空軍のF16戦闘機。台湾国防部(国防省)提供(2018年5月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / TAIWAN DEFENCE MINISTRY〔AFPBB News

プロパガンダに満ちた中国国防報告「新時代の中国国防」

 2019年版の中国国防白書「新時代的中国国防(China’s National Defense in the New Era)」が7月24日に公表された。

 今回の国防白書は、人民解放軍の大改革が2015年末に開始されてから初めて公表された白書であるという大きな特色がある。

 4年前に公表された2015年版国防白書は、「中国の軍事戦略」というタイトルで、軍事戦略に焦点を当てたものであったが、2019年版は主要な項目について網羅的に記述したものになっている。

 2019年国防白書を総括的に評価すると以下の4つの特徴がある。

①米国に対する厳しい批判

②台湾の独立に対する強い警告

③「中国は米国とは違って、世界平和に貢献し、人類運命共同体に貢献する国家である」というプロパガンダ

④人民解放軍改革に関する簡単すぎる説明

 特に中国共産党のプロパガンダについては、明らかに事実に反する嘘や、「言っていることと、やっていることが違う」主張が繰り返されている点には唖然とする。

 これは、中国共産党の体質的なものもあるが、米中覇権争いの中で米国よりも世界に貢献しているという点を強調し、国際的な支持を確保したいのであろう。

 以下、この4点を中心に、2015年版とも比較しながら解説したい。