マスコミの誤解だった「ミカンは肌によくない」

柑橘類の摂取と身体への作用(前篇)

2019.05.17(Fri)漆原 次郎

「とにかく柑橘類は肌によくない」という飛躍

左からグレープフルーツ、温州ミカン、オレンジ。含まれている成分は相当に異なる。

――けれども、この論文が出て以降、テレビの情報番組などで「柑橘類を特に朝に摂取すると、ソラレンが紫外線を吸収しようとはたらきかけて、肌にシミをつくる」といったコメントが、医学ジャーナリストを称する人物たちから聞かれています。

杉浦 マスメディアが飛躍し、「とにかく柑橘類は肌によくない」と伝え出したなという印象を受けていました。

――「飛躍」ですか。

杉浦 そうです。まず、柑橘類の中でも、いま説明したフラノクマリンが多く含まれているものと、そうでないものがあります。

――そうなのですか。美容分野のネット記事などでは、「ソラレンを多く含む食べ物」として、グレープフルーツ、ミカン、オレンジなどが挙がっていますが・・・。

杉浦 それは、誤解や曲解にもとづいた情報です。

 たしかに、グレープフルーツやブンタンなどの「ザボン区」に分類される柑橘類には、ソラレンを含むフラノクマリンが比較的多く含まれています。けれども、どのくらい皮膚に対して光過敏症を起こす原因になるかは分かっていないということは、いま伝えたとおりです。

 一方の、温州ミカンやオレンジには、フラノクマリンはほとんど含まれておらず、含まれていたとしても極微量です。また、国内では、ミカンとオレンジの交配品種「清見」や、清見を交配親として育成された「デコポン」などの品種も出回っていますが、これらはいずれもフラノクマリンはほぼ含まれていません。

 少なくとも、ミカンを食べることが肌のシミにつながるということは、あり得ないことです。

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