フランス大統領杯とトランプ大統領杯との違い

 外国元首で大相撲を観戦し、それを機に2000年、日本相撲協会に大統領杯を贈呈したのはフランスのジャック・シラク大統領だった。

(その後シラク氏の政敵、二コラ・サルコジ氏が大統領になった後は「日仏友好杯」と改名)

 シラク氏は日本の文化そのものに造詣の深い親日家だった。大統領になる前から大の相撲ファンだが、トランプ氏はというと、お世辞にも日本文化に詳しいとは言えない。これまで相撲など見たこともないのではないのか。

 ただ相撲も古式豊かな伝統とか宗教的意味合いを除けばれっきとした近代格闘技だ。

 ということであれば、トランプ氏は1988年、マイク・タイソンとマイケル・スピンクスとの世界ヘビー級タイトルマッチや88、89年の米プロレスのビッグイベント「レスルマニア」の興行主を買って出たりしていて、格闘技とは無縁ではない。

 安倍首相から「日本に来るなら大相撲を一緒に観ないか」と誘われれば、「それなら、俺がリング(土俵)に上がって米大統領杯を贈呈するのはどうだろう」と乗り気になったとしてもおかしくはない。

 トランプ大統領の相撲観戦について、2~3人の米市民に感想を聞いてみた。

 ロスアンゼルス近郊のアルハンブラ市に住む主婦ホーリーさん(45)。

 「米国でも格闘技ファンは男性が主体。テレビでも格闘技専門チャンネルが中継しているだけで一般市民に浸透しているわけではありません」

 「聞くところによると、大相撲は子供からお年寄りまでファンは多いそうですね。国営放送が中継していると聞いています」

 「その相撲の表彰式にトランプ大統領が出るとなれば、日本人は大騒ぎするんじゃないかしら。誰でも自分の好きなことを外国の大統領が楽しんでくれるのを観て喜ばない人はいないでしょう」