銃乱射事件に驚かなくなった米国民とメディア
日本が令和ブームに沸いている最中、米国では日常茶飯事のように銃乱射事件で人の命が奪われている。
「令和前夜」の4月末には、カリフォルニア州パウウェイでは礼拝中のユダヤ教礼拝所(死傷者4人)、南部ノースカロライナ州シャーロットでは大学キャンパス(死傷者6人)で起こった。
死傷者が比較的少なかったせいだろう。米メディアは地元メディアを除けば、どちらの事件も大々的には報道していない。
米国人は銃で人が殺されることに麻痺してしまってのだろうか。
米疾病対策センター(CDC)によると、銃で殺された米市民は、ドナルド・トランプ政権になってからは年間1万5000人台で高止まりしている。
銃はほかの人間を殺すだけではない。世の中に絶望し、銃で自分の命を絶つ人が後を絶たないのだ。
銃による自殺者数は2016年には2万2938人、2017年は3万9773人と急増している。銃によって殺された市民の約2倍になっている。
1万人当たり6.9人が銃で命を絶っていることになる。トランプ政権になって銃による自殺者は着実に増えている。
(https://www.theguardian.com/us-news/2018/dec/13/us-gun-deaths-levels-cdc-2017)
失業率低下、経済好調なのに自殺者が増える
MIT(マサチューセッツ工科大学)のノーム・チョムスキー名誉教授はこう話す。
「自縛自棄に陥った国家は、トランプのような徹底した人種差別主義者で超国家主義者を生む。その元凶は銃文化だ。今米国が抱える最大の問題の一つは、プアーホワイト中高年の自殺だ」
なぜ白人中高年が自殺するのか。トランプ政権になって銃による自殺者が増えている理由は何か。