15年間に1800紙が姿を消し
2022年までに3500紙が廃刊の危機
インターネットの普及により米国の「紙の新聞」は瀕死の状況にある。
過去15年間に1800紙(日刊60紙、週刊1700紙)が廃刊に追いやられた。
残っている7112紙(日刊1283紙、週刊5829紙)のうち半分は2022年までになくなるという予測(ニコ・メイリ―・ハーバード大学メディア政治公共政策研究所所長)も出ている。
なぜか。その原因は、読者の新聞離れと広告収入激減だ。
これではいくら特ダネを連発しても「公器」としてドナルド・トランプ大統領の司法妨害疑惑を追及しても「紙の新聞」は生き残れそうにない。
新聞離れと広告収入減とは表裏一体だ。売れない新聞に広告を載せる者はいない。
新聞をそこまで追い詰めた元凶は誰か。
先端技術を使い、インターネット上で所狭しと暴れまくるグーグル、フェイスブックといった「インターネット・メディア」だ。
「紙の新聞」が必死で取材して報道するニュースを頂戴し、速報。それをタダで読む読者を対象にデジタル広告を載せる。収入源は広告だけだが、無限に拡大している。
従来の「紙の新聞」はまさに踏んだり蹴ったりだ。
15年前には全米の新聞購読者は1億2200万人いた。それが2018年段階では何と7300万人に減ってしまった。広告収入はピーク時だった2005年の3分の1の水準にまで目減りしてしまった。