強まるトランプ政権と民主党の暗闘
ロバート・モラー特別検察官の捜査報告書が出た。
488ページの報告書の結論は、ロシア疑惑については「推定無罪」、ドナルド・トランプ大統領のロシア疑惑についても「推定無罪」、司法妨害については限りなく「灰色」だった。
この報告書の内容を巡ってトランプ大統領と民主党とが激突している。
民主党内も「直ちに弾劾手続きに入れ」と主張する過激派と「下院司法委などで関係者を徹底的に調べ上げる」と基本方針を変えない党首脳部との間で対立が激化している。
どちらも2020年大統領選を睨んだ戦略に変わりはない。
トランプ大統領は、24時間の間に何と52回もツイッターして「オレを弾劾するなどできっこない。やるなら最高裁に判断を仰ぐ」と開き直っている。
これまで公の場にはほとんど姿を見せなかった大統領の娘婿ジェラッド・クシュナー上級顧問までがメディア主催のイベントで「ロシア疑惑捜査そのものが米民主主義にダメージを与えた」と逆転攻勢に出ている。
(https://www.cnn.com/2019/04/23/politics/donald-trump-twitter/index.html)
ただし、トランプ大統領をすっぽり包む黒い雲は完全に去ったわけではない。
2020年大統領選を視野に入れた民主、共和両党のつば競り合いが続く中で米政局は荒れ模様だ。
「モラー報告書」で1つだけ明確になったのは「トランプ氏はいくつもの嘘をついていた」という事実だ。これは消そうにもそう簡単に消えない客観的事実だ。