米大統領選の民主党候補に躍り出るか、バーニー・サンダース氏

女性問題には無縁だった好好爺に降りかかる火の粉

 「ロシアゲート疑惑」で白を勝ち取った米国のドナルド・トランプ大統領が2020年再選に向けて拍車をかけ始めた。

 失業率は3.8%を堅持、3月には19万6000人の雇用を創造している。「景気経済のトランプ」を印象づけている。

 一方で、民主党には暗雲が立ち込め始めた。

 民主党大統領候補指名争いで一番人気のジョー・バイデン前副大統領(76)が突然の「セクハラ疑惑」に見舞われた。

 5年前、州議会選に立候補していた女性が、月刊誌『ニューヨーク』に寄稿した記事の中で、応援に駆けつけたバイデン氏に「後ろから髪のにおい嗅がれ、後頭部にキスされた」と「告発」したのだ。

 3日後には別の女性がバイデン氏に「無理やり引き寄せられて鼻と鼻をこすり合われた」と言い出した。

 トランプ大統領は(自分のセクハラ疑惑は棚に上げて)「それ見たことか」とツイッターでバイデン氏を攻撃し始めた。

 今のところ主要メディアはバイデン氏の「セクハラ疑惑」を抑え気味に報じている。

https://www.nytimes.com/2019/04/03/opinion/joe-biden.html

 主要紙の政治記者は筆者に現状をこう解説する。

 「女性問題にはあまり縁のなかった好好爺バイデン氏だけに小火(ボヤ)程度で終わるかもしれない。ただ、米国はセクハラ追及機運が盛り上がっているだけにバイデン氏の(今月末に予定されている)立候補宣言にも影響を与えそうだ」

 「中間選挙で下院議員になった民主党女性議員たちのバイデン離れが起きそうだ。バラク・オバマ前大統領も近著がバカ売れしているミシェル・オバマ氏も現時点ではバイデン氏をかばうそぶりを見せていない」

 そうした中で世論調査で33%の支持を得てトップに立っていたバイデン氏に8%差で2位につけている77歳のバーニー・サンダース上院議員(25%)がトップに躍り出るのではないのか、といった見方が選挙予想専門家の間で広がっている。

https://morningconsult.com/wp-content/uploads/2019/04/Political-Intelligence-4.2.19.pdf