ニューヨーク地検はすでにトランプ一家を捜査対象に

現状は「さらなる捜査、さらなる分裂、そして大統領選へ」

　2年間及ぶロバート・モラー特別検察官の「ロシアゲート疑惑」捜査は「シロ」と出た。

　だがこれはあくまでも「ロシアゲート疑惑」についてのみだ。

　2016年大統領選の際にトランプ氏および選挙陣営がロシア人と接触し、政敵ヒラリー・クリントン民主党候補に不利な情報を流すための「共同謀議」はなかったと結論づけたのだ。

　だが、「ロシアゲート疑惑」が捜査対象となってからトランプ大統領をはじめ同氏陣営が司法妨害したかどうか、については捜査対象になっていない。

　トランプ大統領は、「共謀はない。司法妨害もない。完全な潔白が証明された」と宣言。共和党は胸を撫でおろした。

　一方民主党は、「調査報告の全文公開」を主張し、過半数を占める下院の司法、監査・政府改革各委員会は同報告書提出を受けて、トランプ大統領および側近たちの「別件疑惑」究明に動き出している。

　トランプ大統領の「ロシアゲート疑惑」を追及してきた米主要メディアのジャーナリストの一人は、現状を一言でこう表現した。

　「More investigations. more division. and an election（さらなる捜査、さらなる分断、そして選挙）」

　「別件」究明に向けてのさらなる捜査、「別件」を巡る共和党、民主党の分裂、国論分裂。すべては2020年の大統領選挙に向けての対決、というのが今の米国の現状だ、というわけだ。