世界43カ国で新サービスを展開

 YouTubeは依然、音楽ストリーミングの分野で、利用者が最も多いサービス。無料で音楽ビデオが視聴できるからだ。

 しかし、有料サービスに移行してもらうのは、困難な状態だと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。無料トライアル期間が終了すると、多くの人が利用をやめてしまうからだという。

 グーグルのサブスクリプションサービスには、YouTube Musicの機能に加え、動画も広告なしで見放題になる上位版「YouTube Premium」もある。

 同社は現在、YouTube MusicとYouTube Premiumを世界43各国で提供している。今年3月中旬には、インドでYouTube Musicを開始した。こうしてサービス提供地域を増やしているのにもかかわらず、同社は会員の獲得に苦戦していると、同紙は伝えている。

世界の音楽サブスクリプションは急成長

 ただ、音楽産業全体を見ると、サブスクリプションサービスは急成長しており、グーグルにも成長の余地が十分にあると言えそうだ。国際レコード産業連盟(IFPI)によると、世界のレコード(録音)音楽売上高は昨年、4年連続プラス成長となった。

 近年、この市場を牽引しているのはストリーミングサービスだ。ストリーミングには、サブスクリプションサービスと広告付きの無料サービスがあるが、成長を支えているのは、後者のサブスクリプション。その売上高の前年比伸び率は32.9%。会員数は昨年、2億5500万人に上り、これによりもたらされた金額は、レコード音楽売上高全体の37%と、ほぼ4割に達している。

 (参考・関連記事)「音楽産業を衰弱させた“デジタル”は今や復活の希望