一方で、大和と武蔵以外の日本の戦艦は大正時代にできたボロばかり。もちろんそのレベルのボロ戦艦においても米国の方が数で優勢である。
残念ながら数では劣勢なので、仮に航空機の時代とならず、戦艦同士で戦えたら多少は活躍できたかもしれないが、結局は負ける可能性が高いように見える。
大和よりも巨大な豪華客船
以上は戦艦としての比較であるが、大和が船舶として最大であったかというと、実はそうではない。
米国と欧州の間では戦艦大和をしのぐサイズの大型豪華客船が就航していた。
戦艦大和の建造が始まったのは1937年。当時、すでに飛行艇による大陸間航路も存在した。しかし、旅客機が国際輸送の主役にはなっていなかった。旅客の輸送手段の主役は客船であった。
もちろん太平洋やインド洋でも客船が往復していたが、最も密度の高い路線は大西洋航路だった。客船のサイズも大西洋航路がトップである。
1930年代末から40年代初めにかけて、大西洋航路ではクイーンメリー(英)、クイーンエリザベス(英)、ノルマンディー(仏)の3隻が世界最大の客船の座を争っていた。