本当に国民の約4割が11万円のキャッシュも用意できないのかといえば、そうではない。

 米市民の多くは株や債券などの金融資産や不動産で自己資産を持つため、現金を最小限にする傾向があるのだ。

 金融資産を売却することで急場しのげる人たちも少なくない。

給料の1カ月未払いが起こす問題の数々

 だが同時に、約4300万人が貧困ラインから下の経済状況で生活している現状がある。

 米人口が3億2000万超なので約13%にあたる。こうした人たちは、給与の未払いが1カ月以上続けば苦しい状況に追い込まれる。

 しかも80万人のうち42万人は給与を受け取らないまま働かざるを得ない。

 たとえば連邦捜査局(FBI)や航空機の管制業務を行う連邦運輸保安庁(TSA)の職員などで、彼らは休むわけにはいかない。

 ユタ州で国税庁(IRS)に勤務するクリストル・カークパトリックさんは悲観的な気持ちでいる。