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 本拠地であるビクトリア大学に近接するバンクーバー島西岸沖合の大平洋海底には海洋ネットワークの中で最も充実した「ネプチューン」と呼ばれる水中センサー網が設置されている。そのネプチューンうちのエンデバー地区と呼ばれる海域の海底に、本年(2018年)夏、4基の最新鋭高性能水中センサーが新たに設置された。

 それらの高性能水中センサーを開発したのは中国科学院に所属する「三亜深海科学与工程研究所」(Sanya Institute of Deep Sea Science and Engineering、以下「三亜深海研究所」)の研究者である。実際に大平洋の海中に設置されている装置そのものは三亜深海研究所が所有している。

設置したのは中国の三亜深海研究所

 これまでも、ONCは北太平洋に水中センサーを設置して研究活動を実施してきた。しかし、今回の水中センサー設置に対してアメリカ海軍情報局関係者をはじめとする米海軍関係者たちからは、「アメリカの安全保障にとって極めて深刻な事態に発展しかねない」との警戒の声が上がっている。

 第1の理由は、その高性能水中音響測定装置を開発し、実際に設置(海底に設置するため高度な技術が必要)し、保有しているのが三亜深海研究所だからだ。三亜深海研究所は、中国科学院に属しているというだけでなく、三亜深海研究所が位置する海南島の三亜市には、中国海軍にとり最も重要な潜水艦基地である兪林海軍基地があるからである。

 現時点では、三亜深海研究所と中国海軍の繋がりが確認されているわけではない。しかしながら「神以外は全てを疑い監視せよ」をモットーとするアメリカ海軍情報局関係者たちにとり、中国海軍潜水艦部隊の最重要拠点である三亜市を本拠とする三亜深海研究所が開発した水中センサー設置を警戒するのは無理からぬところである。