イラストで分かるゲノム編集
ゲノム編集は、遺伝子の一部を書き換える技術だ。いくつかの方法があるが、2013年に開発された「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)」という方法は簡便かつ安価で、一気に世界中の生命科学の研究室に広まった。
CRISPR-Cas9では、DNAを切断する「Cas9」と、切りたい場所を探す「ガイド役」が1組となって細胞内に入ると、狙ったところのみのDNAを切断する。細胞内では、切断を修復する機能が備わっているが、そこで修復ミスが起きてしまう。このミスを利用して、「遺伝子の機能をなくす」のがゲノム編集だ。
ゲノム編集ができるのは、機能をなくすだけではない。修復するとき、あらかじめ別のDNAの断片を入れておくことで、その断片を「組み込む」こともできる。
遺伝子が変われば、できあがるタンパク質も変わり、体の特徴が変わるという仕組みだ。
似たような方法に「遺伝子組換え」があるが、遺伝子組換えの成功率は1%以下であるのに対し、ゲノム編集の成功率は数十%ともいわれる。ゲノム編集のほうが安価かつスピーディーだ。