ロシアにいて最近よく思うのは、近いうちに世界のメディアの潮流を、中国とロシアが支配するのではないか、ということだ。
近年、この2か国のメディアの接近は、目を見張るものがある。そう聞くと、何だか不気味な予感がしないだろうか?
中露メディアの蜜月を説明する前に、日本とロシアのメディア交流の現状を見てみたい。
さる10月25日、モスクワで日露メディアフォーラムが開催された。
日本とロシア、初のメディアイベント
マスコミ関係者のみを対象にしたイベントが日露間で開催されるのはこれが初めてだ。筆者もロシアメディアで働く日本人ということで、スピーカーとして登壇した。
フォーラム開催のきっかけは、デジタル発展通信マスコミ省のコンスタンチン・ノスコフ大臣の提案による。
今年7月、野田聖子氏が日本の総務大臣として初めてロシアを訪問したとき、「日露でメディアフォーラムをやりましょう」という話になっていたのだ。
その後の内閣改造で総務大臣は交代したが、メディアフォーラムの話は残った。日露交流年である2018年のうちに開催したい、という関係者の意向で、急ピッチで開催に漕ぎ着けた。
ロシア側からはデジタル発展通信・マスコミ省のアレクセイ・ヴォーリン次官や、国営新聞「ロシア新聞」のエフゲーニー・アボフ副社長など、業界のトップが参加した。