サカナとヤクザ、両者を結ぶ複雑な共生関係。はたして需要を生み出している私達の欲望や食文化に罪はないのか? そんなモヤモヤした気持ちばかりが残る。だが本書では、この著者でしか書けないテーマが、この著者でしかできない手法で見事にまとまっていた。ある意味ノンフィクションとしての完成度の高さだけが、救いであったと言えるだろう。

ヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫)
作者:鈴木 智彦
出版社:文藝春秋
発売日:2014-06-10

 

 

〈新訂増補版〉密漁の海で
作者:本田良一
出版社:凱風社
発売日:2011-03-20

 

 

絶滅危惧種ビジネス:量産される高級観賞魚「アロワナ」の闇
作者:エミリー・ボイト 翻訳:矢沢聖子
出版社:原書房
発売日:2018-01-18

 

 

内藤 順
HONZ編集長。1975年2月4日生まれ、茨城県水戸市出身。早稲田大学理工学部数理科学科卒業。広告会社・営業職勤務。好きなジャンルは、サイエンスもの、歴史もの、変なもの。好きな本屋は、丸善(丸の内)、東京堂書店(神田)。はまるツボは対立する2つの概念のせめぎ合い、常識の問い直し、描かれる対象と視点に掛け算のあるもの。
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