高畠町で行われた熱中小学校の第1回卒業式。卒業生の1人、山田賢一さん(右)の記念Tシャツにお祝いの言葉を書く寒河江信町長。

 地方創生を成功させる方法は何か――。特徴豊かな日本の地方にあって、答は1つではない。これまでに数多くの実例をJBpressで取り上げてきたが、実に様々だった。

地方創生の勝ちバターン

 北海道の倶知安町ではオーストラリア人に開発のアイデアを委託する形でスキー場ばかりか夏のラフティングを流行らせ、日本ばかりか世界から観光客・修学旅行生を集めている。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36416

 島根県隠岐の島の海士町ではIターンを積極的に受け入れ、また町にある県立高校を徹底的にバックアップすることで島外からも高校生が集まってくるようになった。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39263

 宮崎県の綾町は高度成長期から徹底して有機栽培に取り組み、作付けした瞬間から買い手がつくような農業立国を実現した。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36724

 また、福井県の鯖江市では女子高生の発想力を町づくりに生かすため「鯖江市役所JK課」を作り、大成功を収めている。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51593

 長野県下條村では、簡単な公共工事は住民の手で行ってもらうなど財政改革を断行し、一方で他の市町村では見られないような子育て支援に乗り出し、過疎化、少子高齢化を克服している。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35810

 さて、今回取り上げるのは、山形県高畠町。米沢からJR奥羽本線で2駅、10分のところに位置する人口約2万4000人の町だ。

 豊かな水と肥沃な土地に恵まれ、稲作が盛んで古くから有機農法が取り入れられてきた。丘陵地帯では葡萄などの果樹の栽培に適し、デラウエアや白ワイン用のシャルドネでは生産量が日本一。

 1990年には地元の葡萄を使った高畠ワイナリーが創業、いまや日本を代表するワイナリーの一つにまで成長している。