日本のテレワークは、石橋を叩いてばかりいて、なかなか渡れずにいる――。
日経のネットコラムにこう書いてから、もう10年近くになる。米国務省の招聘で「アメリカのテレワーク」を見てきたリポートだ。
(参照:【ネット時評】日本はテレワーク大国になれる!――米国視察で見えた確信と課題、2009/01/05、 http://www.ysstaff.co.jp/netoffice/etc/net20090105.html、*日経「ネット時評」のクローズに伴い許可を得て転載)
このリポートでは、米国のテレワークを「石橋を叩かずに、渡っている」と表現し、理想は「石橋を叩きながら渡る」だとした。
今、日本には「働き方改革」の波が押し寄せている。前回の記事に書いたように、長時間労働の上限規制は、企業を動かすトリガーであり、「テレワーク」は、働き方改革を成功させる重要な働き方であると、筆者は考えている。
(参照:「働き方改革は「残業削減」だけでは失敗する~成功に導く3つのポイントとは」 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53037)
そして、「働き方改革」の大きな波が押し寄せる中、いよいよ、日本が「石橋を叩きながら渡る」時が来たのだ。
「テレワーク・デイズ」は、ロンドン五輪がきっかけ
「テレワーク・デイズ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。7月24日を中心とする平日に「テレワークをしよう」と、国が総力をあげ参加企業を募集中だ。
その力の入れ方は、6月26日に開催される「テレワーク・デイズ プレイベント」の主催挨拶は、野田聖子総務大臣、世耕弘成経済産業大臣、小池百合子東京都知事というだけで、お分かりいただけるだろう。
(その陰に隠れて(笑)、筆者は基調講演をさせていただく、参照:「テレワーク・デイズ プレイベント」https://teleworkdays.jp/about/#pre)
「テレワーク」は、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効活用できる柔軟な働き方」。「在宅勤務」や「モバイルワーク」「リモートワーク」「サテライトオフィス勤務」なども、テレワークに含まれる。