田中理事長は、週刊文春の記者の問いかけに、「俺、知らないもん、全然」「フットボールなんてルールも知らないし」と答えるのみで、日大トップとしての責任感など微塵も感じられない対応をしている。
福田危機管理学部学部長は、前述した学生への呼びかけで、「大学本部から、我々に情報が与えられ、対応にあたってくれ、という指示があれば迅速に対応したはずですが、現在に至るまで、今回の問題に関する情報は伝えられていないのが現状です」と語っている。それはそうだろう。何しろナンバー1が、「俺、知らないもん、全然」と言っているのだから。要するに、日大が危機に直面しているという自覚がないのが、田中理事長なのである。
田中理事長は山口組や住吉会の組長らとも親しくしているようで、写真も出回っている。田中氏は「合成写真」だと弁明しているようだが、誰が、何の目的でこんな合成写真を作成するのか。むしろ田中氏は、暴力団幹部との親密な関係を利用して、その強面ぶりで大学内での地位を固めていったのではなかったのか。
日大では、弁護士を中心としたメンバーで第三者委員会を立ち上げ、2カ月をメドに報告書が提出される見通しとしている。その時には、田中理事長が記者会見するかのように言われているが、おそらく実現しないだろう。田中氏をよく知る人の話によれば、人前でまともにしゃべれる能力を持ち合わせていないそうだ。文春記者とのやりとりを見てもそれはうかがえる。だからこそ、いまだに表に出てこないのだろう。こんな人物が、本来、最もアカデミックな場所であるべき大学のトップに居座っていることに、大きな違和感を覚えざるを得ない。
学生はもっと自立すべきではないのか
今回の騒動で違和感を覚えたことがもう1つある。やたらと父親、両親、父母会という言葉が目立っていたことだ。