既に約30社が導入し、30代~40代前半のエンジニアが100名程度、受講者として学んでいるという。この5月からは新たに、ビジネスパーソン向けのAI教育プログラムを開始した。
「AIを業務でうまく活用するには、技術の知識はもちろん、適用分野に関する知識や適用する用途の見極めなど、AIならではのポイントを抑える必要がある」と石井CEOは強調する。オンラインAI教育の可能性と、AI教育を通じて目指しているという「若手技術者が幸せに働ける社会」の姿を、石井CEOと鶴岡友也取締役CTO(最高技術責任者)に聞いた。
業務の現場で要求される知識をカバー
AI_STANDARDの特徴は大きく2つある。1つはカリキュラムの構成に工夫をしたこと。もう1つは「メンター」という役割を置き、学習を継続しやすくしたことだ。
カリキュラムの構成については、「実務レベルに到達するのに必要な知識を、2カ月から3カ月で網羅的に学習できる内容」(鶴岡CTO)になるよう配慮したという。AI_STANDARDがターゲットとしている受講者は、情報システムの受託開発を担うITサービス企業で働くエンジニアである。
受講者はeラーニングと集合研修で、開発言語として使用する「Python」の基本的な文法に始まり、数学や統計学の基礎理論、そして機械学習や深層学習といったAIの技術を実務で使うためのポイントを学んでいく。集合研修はAI分野のコンサルタントで弁理士としても活動している藤田肇氏が講義する。藤田氏は講座内容の監修者の1人。監修者としてはもう1人、機械学習・深層学習の専門家である浅川伸一氏(東京女子大学情報処理センター研究員)が名を連ねる。浅川氏は深層学習に関する専門書を複数出している。