機械学習の話題については、単回帰分析や重回帰分析などの基本的な統計手法だけでなく、クラスタリングや自然言語処理といった一歩進んだ処理、そして性能評価やチューニング、あるいは欠損値の処理といった、AIを適用する上で必要となる実務知識も盛り込まれている。

 学びやすくするという観点から考えると、初学者が対象であれば内容を絞り込むことが望ましい。だがAI_STANDARDでは、実務に必要な内容が入っていなければコースを受講する意味がないという考えから「初学者でも無理がなく、かつ業務の現場で要求される知識がカバーできるよう必要十分な内容を盛り込んだ」(石井CEO)という。

 その内容を吸収できるよう、学習プロセスにも工夫を凝らした。同社が「分析ストーリー」形式と呼ぶもので、まず受講者には「ECサイトの自動タグ付け」「郵便局の仕分け業務効率化」「航空機の利用人数予測」「植物の品種分類」「がんの発生確率の算出」といった業務の現場に即した課題を提示。課題に必要なデータをコンピュータで処理できるように前処理を施し、そこからAIのモデルを構築する、という流れで学ばせる。

 講座ではさらに、受講者にプログラムのコードを手で入力させるほか、サンプルのデータを使って実際に分析させる。鶴岡CTOは「実務の作業内容や流れに即しているので、現場でAI適用の仕事に就いた際にも違和感が少ないはず」とアピールする。

「メンター」が学習をサポート

 AI_STANDARDで用意されたカリキュラムをこなしていくには、平均で週あたり10時間程度の勉強時間が必要となる。現場の仕事で忙しいITエンジニアにとっては、そこそこの負担といえる所要時間だ。途中でつまずく可能性も捨てきれない。

 そこでAI_STANDARDでは対人によるサポートの仕組みを導入した。1つは、オンラインによる質問対応窓口である。平日毎日15時~21時まで受講者からの質問にチャットで回答する。