IoT時代の本格的到来で半導体製造装置市場が飛躍的に拡大している(写真はイメージ)

 日本最大の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン(TEL)の業績が好調の模様である。2015年以降、売上高も営業利益も増大し、2017年度は(予測値ではあるが)、会社設立以来初めて1兆円を超え(1兆1300憶円)、営業利益率も24%に達した(図1)。

図1 東京エレクトロンの売上高、営業利益(率)
(出所:東京エレクトロンのHPのIRデータを基に筆者作成)

 TELの好調な業績には次のような背景がある。2015年以降、IoTが本格的に普及し、人類が生み出すデジタルデータが指数関数的に増大し、そのビッグデータをストレージするためのサーバー市場が急拡大している。そのため、サーバー用SSD(ソリッドステートドライブ)の基幹部品である3次元NAND型フラッシュメモリがつくってもつくっても足りない状態となり、その結果、製造装置市場が飛躍的に増大しているのである(このことは、JBpressの記事「爆発する半導体メモリ市場と製造装置市場(前編後編)」で詳細に報告した)。

 製造装置売上高のトップ4を見てみると、1位の米アプライドマテリアルズ(AMAT)、2位のオランダASML、3位の米ラムリサーチ、そして4位のTEL、全ての企業が2015年以降、猛烈な勢いで売上高を伸ばしていることが分かる(図2)。

図2 半導体製造装置トップ4の比較(売上高)
出所:2013年までは電子ジャーナル『半導体製造装置データブック』、2014年以降は各社のIRデータ

 しかし、各社の2007年の売上高を「1」と規格化し、この10年間の成長率をグラフにしてみると、違った景色が見えてくる(図3)。製造装置売上高3位のラムリサーチが3.54倍、2位のASMLが2.05倍に成長しているのに対して、1位のAMATが1.33倍、4位のTELが1.51倍にしか成長していない。

図3 2007年で規格化したトップ4の売上高比較
出所:2013年までは電子ジャーナル『半導体製造装置データブック』、2014年以降は各社のIRデータ