中国の紫光集団がDRAM工場を建設する計画がある四川省・成都市の街並み(出所:Wikipedia)

 地域別の半導体市場を見ると、2000年のITバブル以降、日米欧の先進国市場が低迷する代わりに、アジア市場が急成長を始めたことが分かる(図1)。その中でも特に中国市場の成長は著しく、2006年以降は、日米欧を抜いて、世界最大の市場となった。

 半導体の世界市場に占める中国市場の割合を見ても、中国半導体市場の統計データが入手可能な2005年に18.5%だったが、2017年には33.5%を占めるまでになり、今後中国が占める割合はさらに大きくなりそうな勢いである(図2)。

図1 半導体の地域別市場
出所:日経XTECH(ソースWSTS)およびIC Insightsのデータを元に筆者作成
図2 半導体の世界市場、中国市場、中国が占める割合
出所:日経XTECH(ソースWSTS)およびIC Insightsのデータを元に筆者作成

 このように中国半導体市場が存在感を増している理由は2つある。

 第1に、世界最大の人口13.8憶円(2016年時点)を持つ中国が経済発展を遂げ、半導体が搭載されているスマホ、PC、デジタル家電などの製品を大量に消費し始めたことが挙げられる。