IoTの本格的な普及にともなって、人類が生み出すデジタルデータが指数関数的に膨張している。そして、このビッグデータをストレージするためのサーバー用NAND型フラッシュメモリ(以下、NAND)市場が急拡大している。またサーバー用DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)も供給不足のため、価格が高騰している。その結果、2016年以降、半導体メモリ市場が、爆発的に急拡大している(図1)。

図1 半導体の種類別の月額売上高
出所:日経テクノロジーオンラインのデータ基に筆者作成(ソースはWSTS)

 本稿前篇(「ビッグデータ時代到来、恩恵は斑模様の半導体業界」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52210)では、このメモリ市場の大爆発のために、2000年のITバブルの時の大きなピーク以降、低迷していた半導体製造装置市場が、とうとうそのピークを越えて成長し始めたことを論じた。また、シリコンウエハにチップを形成する「前工程装置」市場は、ITバブルのピークを越えて大きく成長しているが、チップの動作をテストし、パッケージングする「後工程装置」市場は、ITバブルのピークには届きそうもないことを示した(図2)。

図2 2000年で規格化した前工程と後工程の装置市場推移
出所:電子ジャーナル『半導体データブック』『半導体製造装置データブック』、筆者の調査による