半導体の国際学会の1つ、「VLSIシンポジウム」が、6月18~22日、ハワイのホノルルにあるヒルトン・ハワイアン・ビレッジにて開催される。「VLSIシンポジウム」は、ハワイと京都で隔年開催されており、昨年2017年は京都だったので、今年はハワイでの開催となった。
学会に先立って、記者会見が4月17日に東京で行われた。それによれば、今年の「VLSIシンポジウム」のテーマは、 "Technology, Circuits, and Systems for Smart Living (スマートな生活に向けた技術と回路、システム)" であり、機械学習、IoT、AI、ウェアラブル/埋め込み型デバイス、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなど、“スマートな生活”に向けた様々なデバイス、回路、システムの新技術が取り上げられるという。
一言でいえば、今年のVLSIシンポジウムは、 “AI”をメインテーマとした学会となる。学会委員長を務めている慶応義塾大学の黒田忠広教授は、冒頭の概要説明で、「AIの進展を半導体産業として推進する発表が多数」あり、「AIの発展の原動力は半導体」であって、「VLSIシンポジウムはAIの将来を見定める絶好の機会」であることを強調した。
本稿では、まず、世の中に多数存在する半導体の学会において、「VLSIシンポジウム」がどのような位置づけなのかを説明する。その上で、「VLSIシンポジウム」等をはじめとする主要な国際学会の論文を分析すると、半導体の技術の将来動向がかなり正確に予測できることを論じる。それゆえ、VLSIシンポジウムなどの国際学会は、製造装置メーカーや材料メーカーのマーケティングの場として、極めて重要なであることを述べたい。
どんな学会があるか
半導体の主な学会の一覧表を図1に示す。その中で、ISSCC、IEDM、VLSIシンポジウムは、3大国際学会と位置付けられている。
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