誰かの“特別”になりたい!って気持ちって、みんな持ってるじゃないですか? 持ってますよね!(えっ、私だけですか?)でも、そんな風に誰かと繋がるのって、めちゃくちゃ難しくないですか? だってそれって相手との関係性の中で生まれてくるものだし! 自分だけ突っ走っても相手を傷つけちゃうだけかもしれないし! 相手を傷つけてまで一緒にいたいとは思わないし! っていうかそもそも自分のことまるっと知られちゃうのはなんか怖いし! 期待されても応えられないかもってびびっちゃうし! 今はSNSとかでペロッと繋がれちゃうからほどほどのとこで満足しちゃおうなーんてこともできちゃうし! みたいなことをグルグル考えちゃって最初の一歩を踏み出せないどころかむしろ後退?みたいなことばっかりしちゃいますよね・・・。

 ってすいません。いきなりハイテンションで語りすぎました。そもそもまだ自己紹介もしてなかったですね。

 初めまして。今回、JBpressに初めて文章を書かせていただく藤と申します。「ORIORI produced byさわや書店」という、「さわや書店フェザン店」と同じ盛岡のファッションビルの3Fにある書店で、BL(ボーイズラブ)の担当をしています。

テンカウント(6)(ディアプラス・コミックス)』(宝井理人著、新書館)

 今回ここで文章を書かせていただくことになったのは、普段BLを読まない女子まで悶絶させたBL界のレジェンドである『テンカウント』(宝井理人先生)の6巻(なんと最終巻!完結しちゃうのが寂しいよぉ!)が3月26日に発売(当店は3月27日に入荷)するからです! このシリーズは累計で150万部を突破していて、なんとゲーム化までされちゃうんです!(どきどきわくわく)

 BL好きのわたくしとしては、そりゃあ大好きなBLは山ほどあります。でもでも、この『テンカウント』は、わたし的にイチオシっていうだけじゃなくて、「BLって読んだことないし分かんない」「BLってただエロいだけなんでしょ。それはちょっと・・・」みたいな、BLに誤解(まあ、誤解じゃないこともあるけど 笑)を抱いている方々にもちょっと手を伸ばしてみてほしいって思ってる作品なんです! だから今回の文章は、もちろん「わたしBL大好きです!」っていう人にも読んでもらいたいんですけど、人生でBLに触れてこなかった人にも読んで欲しいなって思ってます。

 もちろん、男性の方にもチャレンジして欲しいです。以前このJBpressで、「さわや書店フェザン店」の長江が【奥の深さに戦慄!男こそ「ボーイズラブ」を読め――BLの本質はエロではない、究極の知的遊戯だ】という記事を書いています。こちらも併せて読んでもらえれば、BLの見方が少しは変わるかもしれませんよ。