2018年1月下旬の導入から、市内の小中学校30校の間では、毎日どこかの学校でこのシステムが使われているという。

 また、会議や研修のコスト削減だけでなく、若手の人材育成にも役に立っている。

運営支援室のための接続設定も用意している。
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「大学を卒業したばかりの若手の事務職員も、ベテラン職員と同じように学校事務ができるよう『運営支援室共同実施』を立ち上げました。その運営支援を、このテレビ会議システムを通じて、常にやり取りし、事務の仕事を他校の職員と共有しながら進めています」

 小規模な学校では、困ったときに聞ける先輩の職員がいないこともある。そのようなときに、気軽に画面の向こうの先輩から教えてもらえるというのは、若手職員にとって非常に心強いに違いない。

距離の壁を乗り越える

 実際に、テレビ会議システムを使っているところを見せてもらった。郡上市のほぼ中央に位置する郡上市庁舎から、郡上市北西部の山間に位置する極小規模校の1つ、石徹白(いとしろ)小学校へとつないだ。

 あらかじめ登録してある接続先をリモコンで選択すると、すぐに接続できる。画面には、石徹白小学校の校長が映っている。音声には若干のタイムラグが感じられるが、ほとんどストレスなく、クリアな音声と映像で会話ができる。

 大部分の学校は先生が操作する形だが、極小規模校の3校ではボタンひとつで、子どもでも使えるように設定している。子どもたちは、昼休みにもつないで交流をしているという。

テレビ会議システムを、石徹白小学校とつないだところ。國居氏(右)の前にある円盤状のものがマイク。テレビ画面には石徹白小学校の校長が映っている。画面の前にあるカメラで、こちら側の映像を撮っている。