空前の半導体好況を受けてサムスン電子の業績も絶好調だ。「信賞必罰」で知られるだけに、過去最大規模の役員人事を断行した。
韓国は超競争社会だ。サムスングループは「夢の就職先」だ。その中でもサムスン電子は飛び抜けた収益力だ。この会社の役員というのは、だから、サラリーマンの頂点でもある。
サムスン電子は、2017年11月16日までに役員人事を発表した。好業績を背景に、過去最大規模の昇格人事だった。
年末年始が慣例だが早まる
サムスン電子などサムスングループや、韓国の財閥は、毎年1回、年末か年始に役員人事を実施する。
ほとんどの企業が12月決算で、2月に株主総会や年間決算発表をする。本来なら、役員人事もこの時期に合わせてもいいのだが、「年末か年始」というのが慣例になっている。
「新しい1年を新しい体制で」という意味があるのだろうが、一部では、「オーナー会長が絶対的な人事権を持っており、株主総会が形骸化していたからだ」という批判もある。
ただ、「役員人事」とは言うが、株主総会で選任する「登記役員(取締役に相当)」は数人から10人強に過ぎない。
毎年発表になる「役員」はほとんどが、日本でいう執行役員のことだ。