技術の進歩で仕事の価値が下がる
一昔前、スーパーなどの買い物客が多い業態では、「レジ打ち」はそれなりの特殊技能として評価されていた。レジ打ちの早いパートタイマーには高めの時給を支払っていた店も多かったはずだ。しかし、今では商品に印刷されたバーコードを機械で読み取るだけで済んでしまう。接客を伴う以上、誰でも務まるとまではいえないが、仕事としてのハードルが下がったのは確かだ。
このように、何らかの要因で職業の価値が下がることがある。たとえば日本郵便は2017年から1月2日の年賀状の配達を取りやめ、元日に配達しきれない分は3日に回すことにした。年賀状の数が大幅に減ったことが主な要因という。やはり、メールやSNSの普及が大きいと思われるが、年賀状を出すという行為自体が廃れつつあるのかもしれない。
配達をやめた分、人手がいらなくなるのはいうまでもない。2日の配達中止に伴う経費の圧縮効果は10億円の見込みという。かつては、年賀状を配達するアルバイトを集めるために家々にチラシを入れたり、新聞広告を出したりして苦労していたようだが、これもある意味、仕事の価値が変化した例といえるだろう。
ほとんどの仕事に無くなる可能性が
最近はAI技術やロボット技術の進歩によって、多くの仕事が消えかねない状況にある。
数年前、イギリス・オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の論文が話題になった。アメリカ労働省のデータに基づき、702の職種について、今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるか分析したものだ。特に、コンピューターにとって代わられる可能性の高い職業とされているものをいくつか挙げると──。