イタリア中部地震、死者18人に

強い地震に見舞われたイタリア・アマトリーチェで、がれきの上に座る被災者ら(2016年8月24日撮影)。(c)AFP/FILIPPO MONTEFORTE〔AFPBB News

 8月24日、イタリアとミャンマーでマグニチュード6クラスの地震が相次ぎ発生した。

 午前3時36分(現地時間)、イタリア中部のペルージャ県ノルチャの南東約10キロメートルを震源とするマグニチュード6.2の地震が発生。震源の深さが約4キロメートルと浅かったため、就寝していた多くの住民が倒壊した建物の下敷きとなった。地震による死者数は29日までに292人に達し、余震の回数は1800回を超えた。

 またミャンマーでは午後4時4分(現地時間)、最大の都市ヤンゴンの北西約500キロメートルを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し(震源の深さは約84キロメートル)、世界的な仏教遺跡のパガンが大きな被害を受けた。

 2つの地震は8000キロメートル以上離れた場所で起きたものだが、地震の規模は似ている。2つの地震に関連はあるのだろうか? プレートテクトニクス理論(プレート説)に代わる「熱移送説」という理論に基づいて地震発生メカニズムの解明を試みている角田史雄埼玉大学名誉教授に尋ねてみた。

熱エネルギーの到達が噴火・地震を起こす

 角田氏のコメントを紹介する前に熱移送説について説明しておこう。

 熱移送説の中で主役を務めるのは「熱エネルギー」の伝達である。その熱エネルギーは、地球の地核(特に外核)からスーパープリューム(高温の熱の通り道)を通って地球表層に運ばれ、その先々で火山・地震活動を起こす。