火山の場合、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこにある岩石が溶けてマグマと火山ガスが生まれると、そのガス圧で噴火が起きる(「マグマ」とは約1000度に溶けた地下の岩石のことであり、この高温溶融物が地表へ噴出したのが「溶岩」である)。
地震の場合は、硬いが脆い岩層の地下岩盤が熱エネルギーによる膨張で割れることにより発生する。つまり熱エネルギーが通ることにより断層が活断層になるのである。
角田氏によれば、南太平洋(ニュージーランドからソロモン諸島にかけての海域)と東アフリカの2カ所から、地震や火山の噴火を引き起こす大本の熱エネルギーが地球表層に出てくるという。日本の地震や火山噴火に関係があるのは南太平洋のほうである。
南太平洋から出てきた熱エネルギーは、西側に移動しインドネシアに到達すると3つのルートに分かれて北上する。3つのルートとは、(1)スマトラ島から中国につながるルート(SCルート)、(2)マリアナ諸島から日本につながるルート(MJルート)、(3)フィリピンから台湾を経由して日本につながるルート(PJルート)、である。
角田氏はさらに「噴火と地震の発生場所はほぼ変わらない」と指摘する。環太平洋火山・地震帯が約10億年も不変であることが示す通り、地球の中で高温化する場所や岩盤が割れやすい箇所はほとんど変わらない。そのため、熱エネルギーが移送されることによって生じる火山の噴火地点や地震が起こる場所は不動だという。
角田氏は、「熱エネルギーは1年に100キロメートル以上の速さで移動する」のでインドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その何年後に日本で地震や火山の噴火が起きるかがある程度予測できるとしている。
イタリア、ミャンマーの次はどこか
今回のイタリアの地震について、角田氏は次のように解説する。