「イタリアの地震の大本の熱エネルギーは南太平洋ではなく、東アフリカのスーパープリュームに端を発している。表層に運ばれた熱エネルギーは中東地域を経由して地中海に達するため、イタリア半島では定期的に地震が発生する。今後数年以内にトルコで地震が発生する可能性がある」
イタリアでは2009年4月の地震(マグニチュード6.3)で今回の震災地の近隣の都市ラクイラで295人が死亡した。古くは1915年に同じ地域で発生したマグニチュード6.7の地震によって約3万2000人が犠牲となったと言われている。
ミャンマーの地震については、「SCルートによって運ばれた熱エネルギーによって起きた地震だ。今後1~2年以内に中国雲南地方で地震が起こる可能性が高い」としている。
角田氏は2007年5月にミャンマーで地震が起きた際、埼玉大学の学生に対し「熱エネルギーに余力があれば、中国の四川あたりで地震が起きる」と予言していた(2008年5月にマグニチュード8.0の四川大地震が発生した)。
2017~18年に伊豆・相模で巨大地震の可能性
大きな被害を出したイタリアの地震について、日本では「防災文化の欠如」を指摘し「日本ではこのようなことは起こらない」とする論調が強いようだ。だが、はたして日本は大丈夫だろうか。
4月14日に発生した熊本地震の余震活動は依然として活発であり、8月20日に震度1以上の有感地震が2000回に達している。7月26日、鹿児島県の桜島で約3年ぶりに火口縁上5000メートルに達する爆発的な噴火が発生、7月30日に鹿児島県・諏訪之瀬島の御岳でも噴火が発生するなど熱エネルギーの移送が続いている。
九州地域の地下構造を熟知する角田氏は「当該地域に熱がたまっているため、数年以内に別の場所(大分県別府地域と長崎県雲仙地域をつなぐライン上)で大きな地震が発生する可能性がある」と懸念している。
東日本地域では7月に茨城県や千葉県東方沖でマグニチュード4~5クラス、8月20日前後に三陸沖でマグニチュード5~6クラスの地震が群発している。東京大学地震研究所の「首都圏大地震は30年以内に70%の確率で起こる。死者2万人。帰宅困難者は900万人」の予測が影響したのだろうか、8月1日、気象庁の大誤報(東京湾付近を震源とする最大マグニチュード9.1、4都県で震度7の地震が予想されるとした緊急地震速報)に多くの首都圏の住民が肝を冷やした。
東日本の地震について角田氏は「熱エネルギーが日本海溝に沿って北上しているのだろうが、直ちに心配する必要はない」としている。
しかし、伊豆・相模地域は別である。