中国政府は、南シナ海そして東シナ海への支配権を拡張するに当たって、「歴史的権益」をその正当性の主な根拠としてきた。しかし7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、中国が主張している南シナ海における歴史的権益は国際法的には認められないという裁定を下した。
それに対して、中国政府やメディアはこぞって「裁定を受け入れない」、というよりは「常設仲裁裁判所にはそのような裁定をなす権限がないため、そもそも裁定なるものは無効であり、中国の立場には何の影響も与えない」との態度を表明している。
戦闘空中パトロールを開始
中国は裁定に対する様々な反論やプロパガンダに加えて、軍事的示威行動にも打って出た。
7月18日、中国国営メディアは、人民解放軍空軍が発表した爆撃機による南シナ海での戦闘空中パトロールの写真を公開した。これは空軍の新鋭爆撃機「H-6K」がスカボロー礁上空を飛行しているものだ。時期が時期だけにきわめて挑発的な画像と言える。