給食の「食べ残し」はどうすれば減らせるのか

「完食の強要は“体罰”」と言われる時代の食べ残し問題

2016.07.08(Fri)漆原 次郎
学校給食への取り組みは学校・自治体により“温度差”がある

「一生懸命に作った農家の人たちに失礼だから、食べものを残してはだめ」

 かつて子どもは大人からそう言われ、食べ残しをしないようにしつけられてきた。だが近年、「食べ残しはしてもよい」とする傾向が現れ、さらに「完食を強要するのは体罰や虐待に関わる」という話題まで見られるようになった。

「食べものを残すこと」は問題ではなくなったのだろうか。「食べものを残してはいけない」は時代錯誤の考え方になってしまったのだろうか。

完食の強要が「体罰」「虐待」になりかねない時代

 学校教諭が子どもたちに給食を残さず食べさせる。これは、昔から小学校の教室などで見られた先生たちの取り組みだ。だが、そのやり方次第では「体罰」や「虐待」と言われかねない時代になった。

 2014年5月「弁護士ドットコム」が発信した記事「給食は残さず食べないといけないの? 先生が強要したら『体罰』か」が話題になった。解説者の弁護士は「無理矢理口に押し込むとか、はき出した物を食べさせるといった指導は、体罰」とする一方、「完食するまで給食が終わっていないと解釈して、児童をその場に残すという手法自体は、場所的・時間的にも、態様としても、著しく不当とはいえません」とし、判断はケースバイケースになるとの見解を述べている。

 教育評論家の尾木直樹氏も2014年にブログで、「子どもの健やかな身体考えること 確かにとても大切」としつつ、「完食はいかがでしょうか? 食事の押し付け 楽しい食事奪うことにならないでしょうか!? 完食は精神的な虐待になりませんか・・・」と綴るなどしている。

 身体的な苦痛を与えるだけでなく、子どもに厳しく指導することまでも「体罰では」「虐待では」と捉えられるようになった風潮の中、子どもたちに給食完食を強要することも非難の対象になり始めているのだ。

1人あたり17.2kgの食べ残し

 子どもに給食を最後まで食べさせることがしづらくなると、当然ながら給食は残ってしまう。

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