あなたを育てた「地元の味」、覚えていますか?

ご当地素材と味の再発見

2016.06.28(Tue)西原 潔

 十六茶は、その名の通り、健康によいとされる16種類の素材からなるブレンド茶だ。今回開発された「ご当地ブレンド」は、北は北海道から南は九州・沖縄まで全国を7つの地域に分け、16素材のうちのいくつかを、それぞれの地域の特産品や嗜好性に合わせた素材に変更したものだ。

「アサヒ 十六茶 ご当地素材ブレンド」。7つの地域でそれぞれ販売され、パッケージにも工夫が見られる。

 しかも、ただ単に地域の素材を入れるだけでなく、事前にそれぞれの地域で好まれている食材や調味料を研究して、味の地域特性についても調査を行い参考にして、商品の味作りをしてきた。その中で、上で述べたような先味系・後味系の傾向、さらには甘さ・苦さを好む地域分布など、地域の嗜好性が分かってきた。

 地域の嗜好性について言えば、今回のブレンドでは、たとえば北海道から関東では先味系を、関西以西では後味系を特徴にしている。その理由について、渡部さんはこう説明する。

 「関東は醤油の文化で、関西はだしの文化です。醤油は先に香りや香ばしさがあって、時間とともに薄れていきます。逆に、だしは後ろの方に味わいの山があって、ふくよかな余韻があるとも表現されます」

 たとえば、九州・沖縄ブレンドでは、使用した特産品は、熊本県産さつまいもと、福岡県産の黒米の2種類。通常品で使われているとうもろこしをさつまいもに、発芽玄米を黒米に置き換えた。さらに通常品に含まれる桑の葉をグアバ葉に、大麦若葉をデカフェ緑茶葉に変更することで、さわやかな甘みとすっきりとした後味という、地域の嗜好性に合わせたブレンドに仕上げている。

ご当地素材から地元を元気に

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 統括課長の渡部友一郎氏。

 しかし、ただ単に地域の素材を入れればよいという簡単な話ではない。開発の際に大事にしたことを、渡部さんはこう振り返る。

「素材の選択の軸は、地域の特産品であること、生産量があること、味に特徴があること、そして十六茶としておいしく楽しんでもらえることです。これらの条件を満たすものを7エリアでそれぞれ探すのは、結構大変でした」

 地域の素材と味を大事にしつつ、それでいて本来の十六茶の味わいも忘れない。ここがぶれてしまうと、このブレンド自体もなじみを持って飲んでもらえないだろう。

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