米グーグルの持株会社アルファベットの自動運転車開発部門は5月25日、その研究開発拠点を米ミシガン州デトロイト近郊に設けると発表した。
自動運転の研究開発に適した場所
施設の場所は、デトロイトの中心部から約40キロメートル北西のノバイ(Novi)という都市。
グーグルの説明によると、この地域は、同社の自動運転開発部門「Google Self-Driving Car Project」とすでに提携している企業の多くが拠点を構えており、研究開発に適した場所なのだという。
米ウォールストリート・ジャーナルは、グーグルがこの地を選んだことは、同社の自動運転研究開発事業が、“自動車の町”デトロイトで拡大していることを示していると伝えている。
新施設の面積は約4900平方メートルで、グーグルが写真で公開したとおり現在は建設中。だが今後準備を着々と進め、年内にも移転を開始するという。
グーグルによると、このエリアは自動車の部品メーカーやエンジニアリンク企業、研究施設が多くある。そのため自動運転車開発部門のメンバーは、過去数年デトロイト広域圏で仕事をしてきたが、今後は新たな施設に腰を据え、研究に当たるとしている。
そして、新施設における最初の仕事の1つは、クライスラーの新型ハイブリッドミニバン「パシフィカ(Pacifica)」をベースにした自動運転車を用意することだと、グーグルは説明している。
完成車メーカーと初の提携
これに先立つ5月初旬、グーグルと欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、自動運転車の分野で両社が提携すると発表した。
グーグルが自動運転開発プロジェクトを始めたのは2009年だが、同社が開発に関して完成車メーカーと提携するのはこれが初めてとなる。
ただ、グーグルとFCAが当面目指すのは実験車両の開発にとどまる見通しだ。この提携によりグーグルは前述のクライスラー製ミニバン向けの専用ソフトウエアやセンサーなどを開発する。