米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米アマゾン・ドットコムは現在、タブレット端末のような形をしたパーソナルアシスタント端末を開発しているという。
音声命令でウェブや動画を表示
同社には、利用者の音声命令に応じ、単語を調べたり音楽やニュースを流したり、家電を操作したりするアシスタント端末「Echo(エコー)」と、そのシリーズ製品があるが、これらは内蔵スピーカーを通じて応答するという仕組みで、ユーザーインタフェースは音声のみとなっている。
開発中の端末は同様の音声アシスタント機能を備えるが、ディスプレイも搭載しており、ウェブページや動画、画像などを表示できる。例えば料理をしている際、小麦粉などで手が粉まみれの状態でも、必要な情報を画面表示できるという。
またアマゾンは先頃、プロのクリエーターや一般の人が自分の動画を投稿できるYouTubeのようなサービスを日本など世界5カ国で始めると発表したが、こうした動画コンテンツも指を一切使うことなく表示できるようになるのかもしれない。
グーグルやアップルと熾烈な競争
ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは米シリコンバレーにあるハードウエアの研究開発拠点「Lab126」でこの端末を開発している。そして社内ではこれを「Knight(ナイト)」というコードネームで呼んでいるという。
この端末はEchoなどと同様に、アマゾンの音声アシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」を利用する。この分野では米グーグルや、米アップル、米マイクロソフトもそれぞれのパーソナルアシスタント技術を開発しており、Alexaはこれらと競合関係にある。
先頃は、グーグルが検索機能と音声アシスタント機能を備えるハードウエア製品を開発しており、年内にも市場投入する計画だと米Recodeなどが伝えていた。
こうした海外メディアの報道によると、多くの専門家や消費者は当初アマゾンのEchoについてどう評価したらよいのか分からなかった。だがEchoは、Alexaの性能や、ほかの部屋からの命令も受けられるマイク性能などが消費者に受け入れられ、肯定的な評価を受けるようになったという。