英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルがこのほどまとめたスマートフォンのOS(基本ソフト)別販売統計によると、今年1~3月期はAndroidのシェアが世界のほぼすべての主要市場で拡大した。
この期間の米国におけるAndroidのシェアは、前年同期から7.3ポイント増えて65.5%に、中国(都市部、以下同じ)では同5.9ポイント増えて77.7%に、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)では7.1ポイント増え、75.6%となった。
Android、欧州で躍進
このうち欧州5カ国におけるAndroidのシェアの伸びは過去2年間で最大となった。この地域では大手数社のみならず、それぞれの国で異なる様々なメーカーがAndroidの成長を支えたという。
これに伴い、競合OSのシェアが低下している。カンター・ワールドパネルによると、この1~3月期に欧州でAndroid端末を購入した人のうち、Windows端末から買い替えた人は6.6%いた。
一方でiOS(iPhone)から買い替えた人の比率は3.3%にとどまった。iPhoneを初めて購入した人のうち2.6%がWindowsからの買い替えだったことがその理由の1つだとカンター・ワールドパネルは分析している。
Windowsは米国市場でも振るわず
欧州におけるこれらOSのシェアを見ると、iOSは18.9%で、1年前から1.2ポイント低下した。これに対しWindowsは4.9%で、1年前から5.0ポイント低下した。
カンターのアナリスト、ドミニク・スネボ氏によると、かつてWindowsが強みを持つ市場はイタリアとフランスだった。だがこの1~3月期、両国では約1割のWindows端末ユーザーがAndroid端末に移行した。
イタリアとフランスの顧客は、Android端末を手がける中国ファーウェイ(華為技術)、中国系フランスメーカーであるウィコ(Wiko)、台湾エイスーステック・コンピューター(ASUS)といったブランドの中価格帯製品を選ぶ傾向にあるという。