米国の市場調査会社、IDCがこのほどまとめた、スマートフォンなどにインストールして利用するモバイルアプリの市場リポートによると、昨年1年間におけるこれらアプリのインストール件数は世界全体で約1560億件となり、その広告収入を含まない直接的な売上高は342億ドル(約3兆7200億円)に達した。
これが2020年にはインストール件数が2100億件超、売上高が約570億ドル(約6兆2000億円)に拡大するとIDCは予測している。こうして市場は今後も成長するが、その伸び率はやがて低下していくと同社は分析している。
例えば、同社が予測する、今後5年間におけるインストール件数の年平均伸び率は6.3%。また売上高の年平均伸び率は10.6%と、2桁成長を維持する見通し。
だが、5年間というこの予測期間の後半、あるいは終わりまでに、いずれの伸びも鈍化すると同社は見ている。その要因は、スマートフォン市場の減速。これに伴いアプリのダウンロード数の伸びも鈍化するという。
インストール数ではグーグル、売上高ではアップル
またこの市場をアプリの配信サービス別で見ると、昨年は米グーグルの「Google Play」が膨大な数のAndroid端末に支えられ、インストール件数が市場全体の約60%に達した。これに対し米アップルの「App Store」のインストール件数は15%にとどまっている。
ところがこれを売上高で見ると、2強サービスのシェアは逆転する。例えばApp Storeの昨年1年間の売上高は市場全体の約58%を占め、前年から36%増加した。これに対しGoogle Playの売上高は約36%にとどまっている。
IDCによると、Google Playのダウンロード件数と売上高は堅調に推移している。だがその伸び率は数年前に比べて低下傾向にある。一方でApp Storeの売上高は今後も引き続きGoogle Playを上回るとIDCは予測している。