その時点でメディアの目は「燃費不正を実質的に指示した犯人探し」に集中していた。それが、午前零時を回った頃、「ある筋から」のリークによって、電撃資本提携にメディアの目が一気に移ってしまった。
電撃的動きでメディアの目に変化
12日の夜、ゴーンCEOはNHKなどのニュース番組に出演し、キャスターらからの「三菱自工の燃費不正問題」に関する質問を、いつもの「ゴーン節」で見事に切り返した。
明けて13日の午前9時には、国土交通省が道路交通法・第100条に基づき、東京都港区内の三菱自工本社に調査に入った。メディアはもちろんこのことも報じていたが、資本提携のニュースに比べると隅に押しやられた感は否めない。
こうした一連の動きを現場で取材して感じたのは、「事件が一気に終息に向かっている」という印象をメディアが作り出してしまいかねないということだ。
メディアの一員である筆者としては、「燃費不正」と「資本提携」は明確に分けて、三菱自工と日産の動きを見ていくべきだと強く思う。
日産にとっての最大のメリットは?
さて、資本提携の緊急会見の中でメディアが最も関心を持ったのは「どちらが資本提携を持ちかけて、いつ資本提携を決断したのか」ということだ。