すべてはこのために
π、sin、log、そしてネイピア数eと連載を続けてきました。
「驚異の数、円周率 πの世界~現代に甦るラマヌジャンの公式」
「三角比が三角関数に変身するまでの長い旅」
「ジョン・ネイピア物語~対数logはlogos(神の言葉)」
「ジョン・ネイピア物語~対数は天文学者の寿命を2倍にした」
「ジョン・ネイピア物語 対数から生まれた「・」」
「ジョン・ネイピア物語は終わらない~ネイピア数e誕生物語」
これら6回の連載はそれぞれが、その時代の物語として独立しています。しかし、これから語るオイラー物語を知るならば、そのすべてが今回のためにあることが分かります。数学という物語は、つながった物語だということです。
π、sin、log、eのすべてが、1本の数式に統合されていくことになろうとは誰が予想したでしょう。
満を持して、その風景にたどり着いた者こそ、数学者オイラー(1707-1783)です。これから、彼が見た原風景にみなさんをナビゲートしていきます。
計算は旅
イコールというレールを数式という列車が走る
サイエンスナビゲーターⓇ 桜井進
すべてがつながるまでの後1歩 虚数誕生物語
虚数i。その不思議な名前の数なくして、π、sin、log、eのすべてが統合されることはありませんでした。
i×i=ー1
という不思議な性質を持つ数です。
数の世界を「拡張」することで虚数は出現します。数と計算の関係から、数の世界が拡張されていきます。