3月14日は何の日

 3月14日はホワイトデーのほかに、アインシュタインの誕生日、そして円周率 πの日でもあります。日本では日本パイ協会がパイの日、日本数学検定協会が数学の日と定めています。

 円周率とは何か。と聞かれたらどう答えますか?

 「 π」「約3.14」は答ではありません。それぞれが答となる問いは「円周率を表す記号は何ですか」「円周率の値はいくつですか」です。この問いは「円周率の定義」を聞いているのです。

 円周率とは、円の直径の長さと円周の長さの比(比率)のことを言います。この比がなぜ定義されなければならないのでしょうか。それは特別な性質を持つからです。

 円の位置(円の中心の位置)や円の大きさ(円の直径)によらず、(円周の長さ)÷(円の直径の長さ)=一定 であることが証明されます。

 円周率の値は約3.14、記号で πと表される数学定数です。ギリシア語で周を表す περιμετρoζ ( perimetros ) の頭文字が πの由来です。

 この円周率の定義には、前述した特別な性質──円の位置や大きさによらず一定であること以前に問題があります。円の直径は直線なのでその長さは理解できるとして、曲線である円周の長さはどう定義されるのか、ということです。

 円周率が定数として3.14…と算出されているということは、直径の長さを1とした場合に円周が3.14…であることを意味しています。いったい、いかにして円周の長さを知り得るというのでしょうか。

 ここに数千年かけた人類の挑戦の軌跡を見つけることができます。数学の発展がπを解き明かし、πを計算するために数学が発展していきました。まさにπは数学の牽引役であり目標でもあったのです。今回は数ある円周率の計算方法から3つだけをセレクトして紹介してみようと思います。