ドイツで「第5の味」を見逃さなかった日本人

和食を創ってきたダシの“うま味”再入門

2016.01.29(Fri)池田 亜希子

「うま味は、さまざまな食品に含まれています。例えば、トマトを使ってうま味を感じることができます」と二宮氏。

 トマトを口の中に入れて30回ほど噛む。酸味と甘みを感じたら、トマトを飲み込む。そうすると舌の上に、食べる前にはなかった感覚が残る。これがうま味なのだという(ただし、トマトによってうま味成分の多いものとそうでないものがあるので、数種類のトマトで試してみてほしい)。

「うま味は、ほかの味に比べて持続性があります。ボアンとしたものが舌に残ると、小学生が表現していました」

美味しさの要素(出典:栗原堅三著、岩波ジュニア新著『うま味って何だろう』)
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日本の研ぎ澄まされたダシ

 このほのかな味、うま味が和食を世界で唯一無二のものにしている。「日本では乾燥昆布や鰹節からダシを取ります。ダシはほとんどうま味成分だけからできているのです。他の国にはありませんから、日本でも本当に偶然生まれたのだと思います」と二宮氏は話す。

 西洋にもブイヨンといわれる牛や鶏、魚などの動物質を野菜などと共に長時間煮込んでつくるダシのようなものがある。素材を煮込むため、うま味以外にもさまざまな成分が抽出されている。

 一方、日本でよく使われている合わせダシは、昆布のうま味成分のグルタミン酸とアスパラギン酸に、鰹節のうま味成分のイノシン酸が加わっただけで、その他の成分はほとんどない。

一番ダシとチキンブイヨンに含まれるさまざまなアミノ酸とイノシン酸(提供:うまみインフォメーションセンター)
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