中国や韓国など隣国に限らず、日本でも、ノーベル賞など国際的に高い評価を受ける業績、いわば創造的な成果が生まれにくい構造的な要因がいくつかあります。
その最大のものは「創造的な成果」を生み出す訓練が、現在の教育では「ほぼ」皆無であることでしょう。
まずもって大半が「二番煎じ」であり、9割がたはすでにある結果の後追いにすぎません。「あらかじめ決まった正解」をなぞる、早い話が丸暗記ですんでしまう。
で、残り1割弱に「正解のない問題」があるのですが、これに対する姿勢が根本的に間違っています。
例えば夏休みの「自由研究」という課題があったとしましょう。こういうものは「受験には出ない」から軽視するという残念な人が多い。
実は「iPS細胞」でも「フィラリアを攻撃する抗生物質」でも「ニュートリノに質量はあるか?」でも、いずれもこのところ日本がノーベル賞を受けた業績ですが、全部「正解のない問題」に全身全霊で取り組んで「新しい正解」を生み出した仕事にほかなりません。
この問題について考えてみたいと思います。
11.13平和記念法要
少し別の話題から始めたいと思います。11月23-25日にかけて私が責任を持つ国際時空間設計学会の第七回世界大会を東京大学福武ホール で行います。
学会そのものは英語が公用語ですが、24日の夕方18時から、東京大学本郷キャンパス正門前の「フォレスト本郷」で開くオフィシャル・バンケットは日英語共用で、残席がある限り一般の方にも公開で、蓮如以来の真宗大谷派の講式にのっとって「11.13平和記念法要」と、その時空間分析ということをしようと思っています。一般の方にもポータルサイトからお申し込みいただけます。
11.13パリ同時多発テロが勃発した直後から、法要そのもののテーマ・コンセプトを再考しようということになり、短時間でまとめ直したものであります。
蓮如という人は「メディア」の観点から見ても大変な傑物と思います。ここでは詳しいこと省きますが、ご興味の方には「笑う親鸞」(河出書房新社2012) など、以前書いた私の本をご参照いただければ幸いです。
一言で申すなら、真宗のお寺―道場を「猿楽舞台」としてすべて再構成し、親鸞の教える衆生済度の教えを、文字を一切解さない一般大衆にまで徹底して布教、定着させることに成功したわけです。