小保方氏、STAP細胞論文撤回に同意

「STAP細胞」論文問題について都内で開かれた記者会見で謝罪する理化学研究所の関係者ら(2014年4月1日撮影)〔AFPBB News

 2014年に世間を騒がせたSTAP細胞詐欺事件に関連して、既存のホームページをコピー・ペーストして博士論文と称した件に関連して、早稲田大学はその事実があった学位について、適切な段階を踏まえて学位を撤回、剥奪したと報じられました。

 早稲田の名誉回復のためにも必要な第一歩と思います。

 また、早稲田大学に限らず、日本全国の大学院で、学位審査に伴って「コピペチェック・ソフトウエア」が導入されるなど、甚大な影響を生み出してしまった現状を見るにつけ、徹底した再発防止と、そもそもこのような情けない非生産的な事態を引き起こさない、抜本的な解決、人材育成と高度な研究成果創造という、学芸の王道をまっとうすべきと強く思います。

 個人的な意見として、このような悪質な「コピーペースト」が発覚した時点で、不正行為を行った学生は学籍剥奪が適当と思います。

 入試でいえば、カンニングに相当しますから、それがばれた時点で受験資格停止となりますから、全く相応と思います。

 今回の早稲田大学の措置は、カンニングがばれた受験生に、1年の猶予を与えるからもう一度更改の余地を見せてみよ、とまで寛容に応じているもので、私がもし関連の問題収拾を担当したなら、学位以前に博士課程の最終試験受験資格、つまり学籍の抹消が適切、と答申を出すと思います。

 なぜなら、このような事例を放置するなら「なんだ、あれでいいんだ」と後輩たちが錯覚し、累犯の再発を防ぐとことができないからです。

 良くも悪しくも「前例」にひっぱられる日本です。そういう「悪しき前例」を徹底して払拭することが、こうした病状の根治に必要不可欠と思います。

 前例の尊重・・・。今回は、この観点を巡って、ノーベル賞に相当するような学芸の創造性を考えてみたいと思います。

不適切なシステムは不適切な結果を生む

 このところ「中国や韓国、台湾や北朝鮮の現状を見るに、ノーベル賞などの評価に相当する研究成果を期待するのにはいくつか明確な難がある可能性」を指摘しています。

 誤解のないように再三強調しておきますが、これらは各々の国の文化や民族性、個人の資質などを指してものを言っているのではありません。

 党が指導しドグマが承認しなければ是認されない意思決定システム、全体主義的な体制、個人の自発性や自由な創意工夫を尊重しない空気・・・端的に言うなら「不十全な学術ガバナンス」が懸念される学術研究行政のもとでは、有産な成果を期待するのは難しい、という観測を示しているものです。

 事実、これらの国を飛び出し、自由の天地で存分に力を発揮して、大きな成果を挙げている人・・・科学者であれ、文学者、芸術家であれ・・・は枚挙の暇がありません。

 拙劣な学術ガバナンスの状況で、有産な成果が得られにくい・・・。当然のことであると同時に、これはまた、日本も同様に拙劣な研究行政の状況に陥るなら、同じような情けないことに容易に陥りう得るいう、警句を発しているつもりです。