以前のコラム(「ジャズは今こうなっている!」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44695)で、現在の海外ポップミュージック・シーンではジャズが活性化されてR&B~ソウルなどと影響を与え合い、新たな潮流が巻き起こって非常に面白くなっているというお話をしました。ここ日本でも、そういった海外シーンと同調するように面白くて刺激的でポップな音楽をクリエイトするアーティストが続々と登場してきて、エキサイティングな状況を作り上げています。
ダイレクトに海外シーンとリンクするサウンドを聴かせるアーティストもいるのですが、現在進行形のジャズ~R&Bのエッセンスを消化しながらも、独自のセンスで「日本のポップス」に仕立て上げるアーティストが多く、それぞれがユニークかつ刺激的な音楽を聴かせてくれて、とっても面白いことになっています。
特に、東京のインディペンデントシーンでそういった新たな感覚を持ったアーティストが次々と登場してきています。たくさんご紹介したいんですが、今回はまずそれぞれセンスや解釈の仕方、サウンドのベクトルが違って、オリジナルで新しい「日本のポップス」を聴かせてくれる3アーティストをピックアップしてみました。
まさか日本でこんなバンドが~吉田ヨウヘイgroup
まずは、今年6月にアルバム「paradise lost, it bigins」をリリースした、ここ数年の東京インディーシーンの顔役の1つといっていい「吉田ヨウヘイgroup」です。
ヴォーカル&ギター&サックスの吉田ヨウヘイがリーダーを務めるこのバンドは男女混成6人組で、ロックバンド編成に加えてキーボード、フルートやトランペットといった管楽器担当のメンバーがいるのが特徴です。
音楽的語彙の引き出しが非常に多く(音楽偏差値が非常に高い)、またとってもユニークで誰にも似ていないサウンドなので、彼らの音楽性を一言で言い表すのはとても難しいのですが、ジャズ~フュージョン、クラシックからアフリカ、ヨーロッパ、ブラジルなど世界各地の音楽、プログレ、ファンクにフォーク~アメリカンルーツミュージックなどからの影響が独自の感覚で融合されたサウンドに日本情緒に溢れたメロディーを乗せて、ロックバンドのダイナミズムで表現する、といった感じでしょうか。