6月26日は、建国239周年にしてすべてのアメリカ人が法的に「おおむね平等」になった記念すべき日だった。
米連邦最高裁が同性婚は合衆国憲法のもとの権利であるという判決を出し、これまで同性婚を違法としていた13州の法律は憲法違反となり、早期の撤廃ないしは改正を迫られることになった。
夫婦という法的に安定した立場を得ることは、社会保障を受けたり家族を営んだりするうえで格段に有利になる。その意味でアメリカに100万組以上いると言われる同性カップルは、人並みに幸せになる権利をようやく手に入れたと言える。オバマ大統領は今回のことを自由と平等をかかげる「アメリカの勝利」だと讃えた。
だが勝利は圧倒的だったわけではない。連邦最高裁判事による票決は5対4。中道派の判事が最終的に支持に回ったことで、同性婚はかろうじて合憲になった。また最高裁判決の直前に行われた世論調査で同性婚を支持したのは国民の57%。アメリカ人の半数近くがいまだに同性婚を認めていないばかりか、そもそもゲイやレズビアンの存在自体を不道徳で忌むべきものとして否定する人も少なくない。