ヤンゴン港からマンダレーの貨物基地までコンテナを鉄道で運ぶ実証実験が行われた(写真提供:山九)

初めての鉄道コンテナ輸送

 その映像は、コンテナがクレーンで吊り上げられ、コンテナ車に載せられる場面から始まった。ヤンゴン港内のコンテナヤードに積まれていた、長さ40フィート(約12m)の海上コンテナだ。

 「気を付けろ」「ワゴンにしっかり固定しろよ」などと言っているのだろうか、日差しに照らされながら、男たちが口々に声を掛け合っている。

 コンテナを載せた貨車が機関車にけん引され、港の敷地に引き込まれた線路をたどってヤンゴン港を出ていくところで場面が切り替わった。けたたましい金属音を立てながらゆっくりと走行する貨物列車。

 再び切り替わった画面には、冒頭のコンテナを載せた貨物列車が広い平原に停車している姿が上空から映し出され、「Mandalay」の文字が画面に現れる。ヤンゴンから約600km北、国土の中心部に位置する古都であり、第2の商業都市でもあるマンダレーの貨物基地に到着したのだ。

 昨年9月末から10月頭にかけて、ミャンマーで初めて行われた鉄道コンテナ輸送の実証実験の映像を見せてもらった。日本では、鉄道と言えば旅客のイメージが強いかもしれない。しかし、実は、鉄道は重量のあるものを一度に大量に運搬できるという点で、貨物輸送の手段としても非常に優れている。

 今回の調査は、この国に鉄道貨物コンテナ輸送を導入する場合の効果と課題を検証し、モーダルシフトを実現・促進することを目的に日本の国土交通省が商社や物流業者と共に実施。所要時間のほか、振動の大きさやコンテナを固定する締結装置の状態などが調べられた。