米グーグルは先頃、同社のモバイルOS「Android」を搭載する機器などで利用できる「Android Pay」という決済サービスを発表したが、米ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はこれに関してクレジットカード発行会社から決済手数料を得る契約を結ぶことに失敗したという。
ビザとマスターカードが新方針
Android Payと似たサービスには、米アップルが昨年10月に米国で開始した「Apple Pay」がある。
これは、あらかじめクレジットカードやデビットカードの情報を「iPhone」などの同社製モバイル端末に登録しておけば、簡単な操作だけで決済が完了するというサービス。
ウォールストリート・ジャーナルによると、アップルはこのサービスで、顧客がクレジットカード決済を行う際、1回の取引に付き0.15%を、デビットカード決済の際には同0.5セントの手数料を受け取っている。
グーグルも同様の決済手数料を得るべく交渉していたが、成功しなかったという。
その理由は、決済ネットワークの運営や、カード取引に関する運用規定などを決めている国際ブランドの大手、米ビザと米マスターカードの2社が打ち出した新たな方針にあると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
グーグルがAndroid Payを発表した今年5月28日、ビザはクレジットカード情報をトークン化するセキュリティサービスを発表した。トークン化とは、カード番号などを別の文字列に置き換え、顧客情報を保護しながら利用するという技術だ。
ビザとマスターカードはこれに先立ち、トークン化を用いた標準セキュリティシステムの開発に取り組んでいたが、これに伴い両社はこのセキュリティサービスを無料にすることを決めた。