いくら崇高な精神や考え方でも、時の流れはそれを風化させるものらしい。フランスではブルガリアやルーマニアから移民してきたロマ人と呼ばれる人たちの強制送還が始まった(揺らぎ始めたフランスの自由、平等、博愛)。

日本の首相、寿命はわずか15分?

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 移民にこれ以上職を奪われたくない。犯罪もごめんだ。つまり、世界中の誰もが尊敬する建国の精神も結局はパン(食べ物)の魅力には勝てなかったということらしい。

 ところが、ユーラシア大陸をはるか東の果てまで進み、八百万の神が住むと言われる島国に来てみると、そこには自由と平等と博愛の精神であふれた素晴らしい国があった。

 ほんの少し前までは、小学校の徒競走で、「最後はみんなで手をつないで平等にゴールインしましょう」というような、競争と名のついた競技なのに、競争を全否定するような超平等主義が染み渡っていた。

 さすがにそれでは優秀な子供のやる気を失わせるだろうと反省があったようで、最近は手をつないでのゴールインはあまり行われていないらしい。

 しかし、その崇高な精神が失われたわけでは全くない。批判があったから引き出しにしまっているだけである。

 なぜなら、その素晴らしい精神はこの国の政治にはっきりと表れているからである。

 9月14日に行われる民主党の代表選挙で、小沢一郎元幹事長が勝利すれば、約半年で首相交代となる。その前も1年と持たなかった。

 その前も、またその前も。さかのぼっていくと日本の首相の在任期間がこのところどんどん短くなっていることが分かる。つまり、形の上では日本の政治家は選挙という競争を経ているにもかかわらず、実際には首相ポストをみんなで平等に共有しようとしているのである。

 この素晴らしい精神を残念ながら、世界の人たちには分かってもらえないようである。