ご存じの通り、中国には金盾(グレートファイアウォール。略称GFW)という検閲システムをはじめとしたインターネットの検閲が存在する。
政治批判だけでなくポルノを厳しく取り締まり始めた
検閲の対象は、中央政府がらみの政治的に敏感な話題だけではない。ここ1~2年で、ポルノサイトや賭博サイトのサイト運営者が逮捕されたり、サイトそのものが表示されなくなるというニュースもよく聞くようになった。
近年、ブロードバンドの普及により、ネットユーザーの誰もが動画サイトを利用し始め、インターネットを楽しめるテレビがメーカー各社から発売され始めた。
一方、携帯電話では激安ノンブランド機こと山寨機の登場も起因し、中国で稼働する携帯電話は8億を超えた(1人2台持つ人もいるので、8億人ではない)。
こうしたインフラの普及を後追いする形で、中国政府は新たに、アップロードする動画や中国版携帯小説や携帯電話向けゲームも「反政府禁止」「ポルノ禁止」「暴力禁止」「デマ禁止」などのルールを定めた。
「中国の言論統制に風穴開けるネット造語の衝撃」という記事では、中国版Wikipediaモドキを軸にした社会的造語が、しばしば中国のネットメディアを席巻することを紹介した。
ここで登場した中国版Wikipediaモドキこと「百度百科」や「互動百科」では、ユーザー自体がメディア記事を作り上げられるとあって、両ページのヘルプページには、記事に書いてはいけないことが明確に記載されている。
百度百科の「削除の原則と処罰の方法」
A.ポルノ、暴力、恐怖、モラルなき内容
●性の器官や行為に関する細かい描写
●ポルノ画像の伝播またはその他のポルノ的なコンテンツ
●暴力的行為の詳述
●暴力行為を助長する行為
●テロ事件の詳述と主観的な感想の供述
B.広告的内容
●アクセス稼ぎのための特定のBBSやサイトへの誘導的内容
●販売活動のための広告的内容